京都市の小口淳也法律事務所(弁護士小口淳也:京都弁護士会所属)では、離婚問題に注力しており、
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親権を正しく理解することで築く新しい家族のかたち
親権とは?親権について理解を深めましょう!
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親権とは、親が子(未成年者)の身の回りの世話や教育をしたり(身上監護権または単に監護権)、子の財産管理等をしたりする権利(財産管理権)であり、義務のことです(民法820条)。
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婚姻中は、父母双方が子の親権者であり、親権は父母が共同で行使します。
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離婚するときには、かつては父母のいずれか一方を親権者とすることが必要でしたが(単独親権)、2026年(令和8年)4月1日から施行された改正民法では、単独親権に加え、共同親権の選択も可能とされています。
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親権には、監護権と財産管理権が含まれます。親権のうち監護権だけを分離して親権者でないほうの親に帰属させること(共同親権の場合は一方の親のみに帰属させること)も可能ですが(親権と監護権の分属)、通常はこれらを一体の親権として帰属者を決定します。
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したがって、単独親権とした場合、離婚後においては、通常は、親権者となったほうの親が子どもと暮らし、子どもの世話や教育を行うことになり、特別な事情がある場合には、監護権を分属させて、親権者でないほうの親が子どもと暮らし、子どもの世話や教育を行うこともあるということになります。
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子どもと一緒に暮らしたいから何としても親権を取りたいとおっしゃる方がいますが、子どもと一緒に暮らすという目的は監護権を得ることで達することができます。
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共同親権の場合には、どちらの親が監護を行うか、監護を親それぞれがどのように分担するか(監護の分掌)、何を共同で決定すべき事項とするかが問題となります。
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親権については父母間の話し合い(協議)による合意で決定することができますが、話し合いで決定できない場合には、家庭裁判所の調停や審判、訴訟で決定することになります。
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調停や審判、訴訟においては、父母やお子さんに関する様々な事情や原則的な考え方を考慮して親権者が決定されます。
親権については正確に理解されていないことが多く、場合によっては親権について無用の争いが生じ離婚問題の解決を困難にしてしまうこともあります。そこで、このページでは親権について詳しく解説させていただきます。
親権・監護権とは
子どものための親の権利と責任
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Point 01
身上監護権
親権の一つに、子どもと暮らし子どもの世話や教育を行う権利・責任があり、これを身上監護権(または単に監護権)といいます。重要なものとしては、居所指定権(民法821条)、職業許可権(民法823条)などがあり、日常的なものとしては、食事や服装の決定、短期間の観光旅行の許可、習い事などの決定、高校生の放課後のアルバイトの許可などがあります。
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Point 02
財産管理権
親権のうち重要なものとして財産管理権があります(民法824条)。これには、子どもが有している財産(祖父母から教育資金等として多額の贈与を受けた場合など高額であることもあります。)を管理する権限だけでなく、子どもの法律行為(預貯金口座の開設、学校への入学契約などの各種契約の締結など)を代理する権限(法定代理権)も含まれます。
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Point 03
身分行為の代理権
親権には、身分行為の代理権、たとえば、子の氏の変更(民法791条)や、相続の承認・放棄(民法915条)、子が15歳未満である場合の養子縁組の承諾(民法797条)などの代理権があります。これが身上監護権に含まれるのか財産管理権に含まれるのかについては争いがありますが、親権と監護権を分属させた場合、監護権者には親権がないため、監護権者は身分行為を代理することはできません。
親権と監護権の分属
婚姻中は、父母双方が子の親権者であり、親権は父母が共同で行使します。
離婚するときには、かつては、かつては父母のいずれか一方を親権者とすることが必要でした(単独親権制度)。この場合、親権者とならなかったほうの親は、子どもとの親子交流による定期的な交流や養育費の支払だけで子どもとのつながりを維持するのが通常でした。
ですが、諸外国では離婚後も共同親権とされていることが多いこと、単独親権では親権者とならなかったほうの親と子の関係が希薄になりがちで、子どもが片方の親からの愛情を感じにくくなってしまうことなどが考慮されて、民法の改正により共同親権制度も導入されることになり、2026年(令和8年)4月1日以降は、単独親権に加え、共同親権の選択も可能となりました。
上記のように親権には監護権と財産管理権がありますが、これらを一体の親権として帰属者を決めるのが通常です。
監護権と財産管理権とを分離して別々の親に分属させるとすると、身上監護を行う親が子どものための日常的な財産管理や法律行為についてまで逐一親権者の同意を得なければならず、子どものための日常的な財産管理などを適時に行えないことになり、子どもに不利益が生じるおそれがあるからです。
したがって、父母のいずれかが単独親権者となった場合、単独親権者となったほうの親が子どもと暮らし、子どもの世話や教育を行うのが通常です。
ですが、特別な事情がある場合には、親権のうち監護権だけを分離して親権者でないほうの親に帰属させること(共同親権の場合は一方の親のみに帰属させること)も可能です(親権と監護権の分属)。
どのような場合に親権と監護権の分属を行うかですが、たとえば以下のような場合です。
・深刻な親権争いが続くことによる子どもへの悪影響を避けるために妥協する場合
・一方の親が財産管理に長けており、他方が子育てに長けている場合
・親権者が長期海外赴任中、長期入院中などの事情で日常的な監護が困難な場合(親権者を決定する時点でこのような事情がある場合には、そもそも他方を親権者とすべき場合が多いでしょうが、親権者になった後にこのような事情が生じた場合には、監護権を分属させるのが適当な場合があります。)
親権と監護権を分属させた場合、親権者でないほうの親が子どもと暮らし、子どもの世話や教育を行うことになります。
なお、親権と監護権の分属は、非常にまれなことで、司法統計によると令和5(2023)年に調停や審判で親権者を定めた事案の中で親権と監護権を分属させた事案は0.5%です。
以上のように、親権には、監護権と財産管理権が含まれており、このうち財産管理権は、子どもが有している財産の管理権限や子どもの法律行為(預貯金口座の開設、学校への入学契約などの各種契約の締結など)を代理する権限(法定代理権)であり、重大な権限ですが、一般的にはこの権限を行使する局面は限定的です。これに対し、監護権は、子どもと暮らして日常の子どもの世話や教育を行う権限であり、日々の生活全般に関わるものなので、権限を行使する局面は広範にわたります。
子どもと一緒に暮らしたいから何としても親権を取りたいとおっしゃる方がいますが、子どもと一緒に暮らすという目的は監護権を得ることで達することができるので、親権は相手に譲って監護権の分属を受けることを検討するのも離婚問題の円滑な解決の手段となります。
なお、親権は、子どもが成年である18歳に達すると失われます(民法818条)。

共同親権の場合
共同親権とする場合には、離婚後も、婚姻中と同様に、父母双方が親権者となります。
ただ、婚姻中についてもそうですが、親権は常に共同で行使しなければならないものではなく、一方が単独で行使する場合も認められています(民法824条の2第1項、第2項)。とりわけ、離婚後は、婚姻中とは異なり、父母(元夫婦)は別々に暮らすのが通常で、子どももどちらか一方の親と暮らすことになることが多いでしょうし、子どものこととはいえ重大でないことについてまで頻繁に話し合って決めるのは難しくなるのが通常です。
そこで、共同親権の場合の離婚後の子の監護については、たとえば、次のような取り決めをしておくことが考えられます。
・身上監護上の重大行為(転居、進学先の決定、心身に重大な影響を与える医療行為など)や、財産管理行為、身分行為の代理については父母が共同で決定する
・子と同居する親(同居親)は、身上監護に関する日常行為(食事、衣類、習い事など)や急迫の事情(子の利益のために差し迫った事情)がある場合の親権の行使を単独で決定できる
・子と別居している親(別居親)は、親子交流中の身上監護に関する日常行為(食事など)や急迫の事情がある場合の親権の行使を単独で決定できる
また、共同親権とする場合、監護の分掌を行うことも多くなると考えられます。
監護の分掌というのは、たとえば、平日は母親が、週末は父親がそれぞれ子の監護を行うとか、月の前半は父親が、月の後半は母親がそれぞれ子の監護を行うというように、監護を分担することです。
この場合には、身上監護上の重大行為や、財産管理行為、身分行為の代理については父母が共同で決定するが、監護の分掌中は分掌している親が身上監護に関する日常行為や急迫の事情がある場合の親権の行使を単独で決定できるというような運用をすることが考えられます。
共同親権者間で共同で決定すべき事項について協議による合意ができない場合には、家庭裁判所の「親権行使者指定調停・審判」によって解決することになります(民法824条の2第3項)。
親権の決定方法・手続
親権については父母間の話し合い(協議)による合意で決定することができます。
話合いで合意できれば、離婚届に親権者に関する事項を記入して市区役所・町村役場に提出することが可能になります。
父母間の話合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の調停手続で解決を図ります。
親権者は決定できていないくても協議離婚をする(離婚届を市区役所・町村役場に提出する)ことは可能であり、協議離婚をするかどうかによって申し立てるべき調停手続が異なります。
協議離婚をする場合には、「親権者指定調停」を申し立てます。
この調停では、親権者の決定についてのみ家庭裁判所の関与の下で話し合っていきます。
これに関しては、2026年(令和8年)4月1日に改正民法が施行される前においては、離婚届に親権者の定めを記入しなければ受理されませんでした(つまり、協議離婚の際には必ず親権者を決定していなければなりませんでした。)。ですが、改正民法の施行後においては、親権者指定調停・審判を申し立てて、家庭裁判所から事件係属証明書の交付を受け、これを離婚届に添付して提出すれば、離婚届が受理される(協議離婚ができる)ことになりました(この制度については別のページ「親権者指定調停・審判について解説します!」で解説していますので、ご参照ください。)。
他方、協議離婚をしない場合には、「夫婦関係等調整(離婚)調停」を申し立てます。
この調停では、親権者の指定のみでなく、離婚すること自体や、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割などについても家庭裁判所の関与の下で話し合っていきます。
これらの調停でも合意ができず調停が成立しなかった場合には、親権者指定調停を申し立てていたときは、自動的に「親権者指定審判」に移行し、家庭裁判所が親権者について決定(審判)します。
他方、夫婦関係等調整(離婚)調停を申し立てていたときは、離婚訴訟を提起して(自動的に訴訟に移行するのではありません。)、家庭裁判所に判決で親権者を決定してもらいます(訴訟上の和解により話合いによって決定することも可能です。)。
親権の決定に際して
考慮される要素や原則的な考え方
親権者を決定するにあたっては、親権をどのように定めるのが「子の利益」にかなうのかを最優先して以下のような要素(事情)が考慮されるべきです。
①父母の監護(子育て)の意欲
②父母の監護に関する現在と将来の能力(年齢、心身の健康状態、時間的余裕、収入や資産などの経済力、実家等の援助など)
③父母の生活環境(住宅事情、居住地域、学校関係など)
④父母による奪取の違法性(子を連れ出した際の方法などが適切なものであったかどうかなど)
⑤父母の他方に対する親子交流への許容性
⑥子の年齢・性別
⑦子の意思
⑧子の心身の発育状況
⑨子の兄弟姉妹の有無や関係
⑩子への環境の変化による影響の程度
⑪親や親族との関係性(情緒的な結びつきなど)
これらをはじめとする諸事情を考慮して親権をどのように定めるのが「子の利益」にかなうのかについて話し合い、合意形成を図っていくのですが、「子の利益」を判断する上で調停や審判で重視される次のような原則的な考え方があります。
(1) 継続性の原則
現在の子の監護状況を現状維持しようという原則、つまり、父母のうち、現在、子を監護している方を親権者とするという原則です。 これは、現在の子の監護状況が問題のないもので安定しているなら、これをできるだけ変更しない方が子にとって望ましいと考えられるためです。 監護状況に問題がある場合や、現在の監護状況がまだ短期間しか継続していない場合、子の連れ出し方が不適切なものであった場合には、監護していないほうを親権者とすることもあり得ます。
(2) 子の意思の尊重の原則
子の意思が尊重されなければならないという原則です。 年齢などによって判断力が異なりますので、この年齢が上がるに連れて子本人の意向がより重視されることになります。 子が15歳以上であれば、子本人から意見を聴きます(家事事件手続法152条2項)。子の意思が常にそのまま通るわけではありません(他の諸事情も併せて考慮されます)が、親権者の決定にかなり大きく影響します。 子が10歳前後であれば、子本人から意見を聴くことがあり、子本人の意見が真意によるものか、正しい認識を前提としたものであるのかなどを確認する必要があります。
(3) きょうだい不分離の原則
きょうだいがいる場合にはきょうだいを離れ離れにせずに同じ親のもとで育てられるのが望ましいという原則です。 きょうだいが互いに精神的な支えとなるところがあるので、不仲であるなどの事情がなければ子全員について同じ親権者を指定するのが望ましいと考えられるためです。
(4) 母性的役割優先の原則
日常的・継続的な監護を担っているほうの親を親権者にすべきであるとの原則です。 かつては、子が幼い場合には、母親が育てるのが望ましいという考え方がされていましたが(母性優先)、男女平等の見地から、母であるか父であるかではなく、どちらが日常的・継続的な監護を担っているかという監護実態が重視されます。
調停手続では、このような原則的な考え方を踏まえつつ親権をどのように定めるのかを話し合っていくのですが、合意に至らず審判に移行した場合には、家庭裁判所が上記のような諸々の事情を考慮して、親権について決定することになります。
ただし、親権者指定審判や離婚訴訟の判決で親権者を決定する場合、以下の事由があるときは、必ず単独親権としなければならないものとされています(必要的単独親権事由・民法819条7項)。
①父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれ
たとえば、過去に親が子を虐待していた場合などがこれに当たります。
②父母が共同して親権を行うことが困難であること
父母の一方が他方から身体に対する暴力その他心身に有害な影響を及ぼす言動(いわゆるDVなど)を受けるおそれの有無、親権者の定めについての協議が調わない理由その他の事情を考慮して、共同して親権を行うことが困難かどうかが判断されます。
③父母双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められること
親権については、夫婦のどちらを単独の親権者とするかというだけの単純な問題ではありません。親権と監護権の分属ということが問題になることもありますし、親子交流や養育費とも深く関わる問題でもあります。また、共同親権制度が導入されたことで、親権行使のルール作りや監護の分掌が問題となることもあります。
京都市の小口淳也法律事務所では、そのような親権の問題も含め、離婚問題を幅広く取り扱っています。
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